家賃滞納とは?
家賃滞納とはその名の通り、物件を借りている入居者が、家賃を支払うべき期日までに支払わない状態を指します。
具体的には、家賃の支払い期日が過ぎたにもかかわらず家賃を支払わない、または遅延して支払うことが滞納とされます。
家賃滞納は、物件を所有するオーナーさまと不動産管理会社のほとんどが遭遇する問題です。
早期に解決することができればさほど問題にはならないものですが、
対応が遅れ、ずるずると長期化してしまうことで回収が困難になってしまうケースが問題とされます。
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家賃滞納の理由①:うっかり忘れていた
家賃滞納の理由ではもっとも多いものです。他のことで忙しく期日が来ているのに振り込みを忘れていた。他には、引き落とし用の口座にお金を入れておくの忘れており、残高不足になってしまったというパターンもあります。「うっかりミスは仕方ないから大目に見よう」と毎回放置してしまうと、入居者のモラルの低下に繋がり、支払いがルーズになってしまう危険性がございます。
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家賃滞納の理由②:病気や怪我で急な入院をしている
家賃の支払い期日のあたりで病気や怪我をしてしまい、入院しているパターンです。そもそも入院しているので部屋にはいませんし、病気や怪我の状況にもよりますが連絡が繋がらない可能性もあります。銀行振込ではなく、自動引き落とし(口座振替)にしておけば滞納することはありませんが、銀行振込の場合は滞納が起こりうる状況です。
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家賃滞納の理由③:お金がなくて払えない
入居審査の時点では財務状況に問題がなかった方でも、ずっとそのままとは限りません。勤めている会社の状況や、本人の体調の問題などで収入がなくなることもあるかもしれません。その理由が入居者さん本人のせいではないにしても、ボランティアでは賃貸経営を行なっているわけではないため、オーナーさまとしては払ってもらうしかありません。優しいオーナーさまほど「心が痛いけど、払ってもらうしかない…」と心を鬼にする必要があり、お互いが辛い状況です。
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家賃滞納の理由④:払う気がない
まさかそんなことがあるのかというパターンですが、少なからず実際にあります。部屋を借りているのに家賃を払わないという全く意味がわからない状況ですが、追い出されるまでは遅れてもいいと思っていたり、家賃滞納について悪いと思っておらず開き直っていることもあります。この「払う気がない」パターンが最もやっかいなので、もし遭遇したら放置せず、すぐに法的措置に切り替えた方が良いでしょう。
家賃滞納の理由
家賃滞納者に督促する
流れについて
家賃滞納者への督促手順を解説します。滞納者のすべてが故意に支払いを遅らせているわけではないため、段階的に支払いを促すことが重要です。
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FLOW.01
入居者への連絡
家賃の支払予定日を過ぎても支払いが確認できない場合、まずは入居者にその旨を知らせましょう。
数日から1週間ほどの遅延であれば、単なる支払い忘れのケースも少なくないため、この段階では責めるような態度ではなく、あくまで「通知」として伝えることが大切です。
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FLOW.02
督促状の送付
連絡が取れない、または1週間以上経っても支払いが行われない場合は、最初の督促状を送ります。
もし督促状に反応がなく、連絡もつかない場合は、支払期限から1ヶ月を目安に2回目の督促状を送付します。この際には、支払額や期日に加え、連帯保証人や保証会社への連絡を検討している旨も記載すると効果的です。
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FLOW.03
内容証明郵便(催告書)の送付
2回目の督促状の期限までに支払いがない場合は、内容証明郵便で契約解除の催告書を送付します。
内容証明郵便は、「誰が」「誰に」「いつ」「どのような内容の文書を」送ったのかを郵便局が証明するもので、法的拘束力はありませんが、後の法的手続きに備えて重要な証拠となります。
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FLOW.04
連帯保証人への連絡
期日を過ぎても支払いがない場合、連帯保証人に連絡します。
連帯保証人への連絡のタイミングは明確に決まっていませんが、トラブルを避けるためにも内容証明郵便に記載された期日を過ぎた段階で行うのが望ましいです。
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FLOW.05
法的措置の実施
家賃滞納が3ヶ月以上続き、入居者および連帯保証人ともに督促に応じない場合は、法的措置を検討することになります。
自主管理の場合、家賃滞納の
督促・督促状の書き方とは?
家賃滞納が起こった際、対象の入居者に対して、家賃の督促を行う必要があります。
督促というと映画のように借金取りが直接訪問というイメージがありますが、基本的には電話や書面から始まります。
未入金である旨を伝え、それでも動きがない場合、保証人へ連絡することもありますし、法的措置になることもあるでしょう。
自主管理のオーナーさまの場合、こういった家賃を支払ってもらうための行動をご自身で行う必要がございます。
家賃滞納の督促状の例文
督促状は段階を踏んで送ることになります。
うっかり忘れていただけですぐに払ってくれる可能性もありますので、初めは未入金になっていますよという「連絡」という形で送ります。
反応がない場合は「〇月〇日までにご入金ください」といったように、支払いの期日を明確に記載しましょう。
督促状の文面例
令和●年●月●日
●●●●(入居者)様
(賃貸オーナーの名前、社名、住所、電話番号など)
賃料のお支払いに関するご連絡
平素は●●(物件名)の●●●号室をご利用いただき、ありがとうございます。●●(物件名)の●●●号室の賃料につきまして、お支払い期日を過ぎておりますがご入金の確認が取れておりません。
つきましては下記の振込先へ早急なご入金と、その旨のご連絡をお願いいたします。
なお、本状と行き違いですでにご入金を済ませておられる場合は、ご容赦願います。ご不明な点などおありの場合も、ご連絡をお願い申し上げます。
記
(物件名や振込先、滞納家賃額などを記載)
以上
それでも家賃滞納が解消されない場合は「契約解除の予告通知書」を送ります。
こちらは「期日までに入金がない場合、賃貸着契約を解除しますよ」といった意味合いの書面となり、内容証明として送ります。
内容証明は「いつ誰が誰にどんな内容を送ったか」を郵便局が内容を証明してくれるサービスなので、受け取った入居者は言い逃れができなくなります。
契約解除の予告通知書(催告書)の文面例
令和●年●月●日
(入居者の住所、名前)
(賃貸オーナーの名前もしくは社名、住所)
催告書
貴殿は当社(個人の場合は私)との賃貸借契約を締結し、下記建物について賃貸しておりますが、令和●年●月分から現在に至る賃料を総額●●円滞納しております。
つきましては、本書面到達後●日以内に滞納されている賃料の全額を下記の振込先までお支払いいただくよう、催告いたします。
なお、期日までにお支払いがなき場合は貴殿との賃貸契約を解除させていただきます。
記
(物件名や振込先、滞納家賃額などを記載)
以上
家賃滞納者に督促するときの
注意点とは?
家賃滞納者への督促には、トラブル回避のために以下の重要なポイントに注意しましょう。
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01
本人および連帯保証人以外への督促は不可
まず、滞納者本人が連絡に応じない場合でも、本人や連帯保証人以外への督促は行わないことが大切です。特に、電話で督促をする際、他の人が電話に出ても滞納の事実を伝えることは控えましょう。また、張り紙や立て看板など、第三者に家賃滞納が知られてしまう方法での督促も、トラブルの原因となるため避けるべきです。
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02
脅迫的な言動は控える
家賃滞納が発生しても、滞納者に対して脅迫的な態度や言動を取ることは絶対に避けましょう。通知や連絡にとどめ、問題が解決しない場合は法的措置を検討することが適切です。
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03
深夜や早朝の連絡は避ける
「貸金業法」に基づき、正当な理由がない限り、夜21時から翌朝8時までの時間帯に督促の連絡をすることは禁止されています(※)。日中に連絡が取れない場合は、留守番電話やSMSなどを活用し、深夜や早朝の連絡は避けましょう。
家賃滞納を未然に防ぐために
できること
入居審査を慎重に行う
入居者を決定する際は、オーナー自身でも慎重に審査を行うことが重要です。家賃は一般的に手取り収入の3分の1が適切な目安とされています。空室が続くと早く入居者を決めたい気持ちになるかもしれませんが、後のリスクを考慮し、しっかりと審査を行いましょう。
自主管理でも連帯保証会社の利用を検討する
自主管理を行うオーナーの中には、連帯保証会社を利用していない方もいるかもしれません。仲介業者に依頼すれば、契約時に連帯保証会社を利用することが可能です。今後の契約時にはぜひ検討してみましょう。
管理会社を活用する
滞納問題をオーナー自身で解決しようとすると大きな労力がかかりますが、管理会社を利用すれば、その業務をほとんど代行してもらえます。既に滞納でお困りのオーナーも、一度管理会社に相談してみることをお勧めします。
家賃滞納を理由に明け渡しの強制執行という選択肢
契約解除の催告書の内容証明を送付しても滞納者が家賃を支払ってこない場合、法的措置を検討することが必要になります。
明け渡しの強制執行の手続きをとることになりますが、強制執行には適切な手続きが不可決となり、適切な手続きを踏まなければ、遠回りになったり、立場が不利になって意味のないものになるので注意が必要です。
「強制執行の申し立て~明け渡しの催告~明け渡しの実行~残置物の保管、処分」までスムーズにいってもおよそ2か月。
その上、弁護士に支払う費用、裁判所に支払う費用、さらには残置物の保管、処分の費用までかかることから、明け渡しの強制執行は、オーナーさまの精神的、金銭的負担は小さくありません。
催促しても家賃滞納が解消しない!
どうすればいい?
どうしても家賃滞納が解消せず、自力での解決が不可能と判断された場合、最終手段として法的措置を取ることになります。
しかし、正しい手順を踏まないと強制執行ができなかったり、逆にオーナーさまの立場が不利な状況になってしまったりと注意が必要です。
弁護士や専門業者への依頼が必須で、時間も費用もかかるため、オーナーさまの精神的・金銭的負担も大きいでしょう。
法的手段は、最終手段と捉え、そうなる前に対処し、解決に動くことがベストの選択です。
- 毎回督促を行うのが手間…
- 厳しい状況を知っているから督促するたび心が痛い…
- 直接連絡するのはトラブルになりそうで怖い…
- 弁護士に言うのはなんとなくハードルが高い…
家賃滞納でお困りなら収益化、不動産経営が
期待できる管理会社へ相談を
家賃滞納は、賃貸経営とは切っても切り離せない問題です。
特に自主管理を行なっておられるオーナーさまには悩みのタネかと思います。
家賃滞納は状況が悪化してから解決するものではなく、そもそもそうならないように対策を打つべきだと考えます。
家賃滞納はとにかく初動が重要です。
自主管理のオーナーさまで家賃滞納に困っている方はぜひエスタス管財にご相談ください。
私たちは不動産経営の最良のパートナーとして、オーナーさまに寄り添ったサービスを提供しております。
2006年の設立以来、およそ20年に亘って不動産管理に携わり、オーナーさまを成功へ導くためのノウハウを蓄積しています。
自主管理に限界を感じた、さらなる収益化、不動産経営の成功を目指したい、そんなオーナーさまはぜひ当社にご相談ください。
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