部屋数と空車枠のバランスの悪さ
最寄である京阪枚方市駅から徒歩35分の単身用マンション。生活上、車が必要な地域と判断できます。
当然、駐車場は付帯している物件ですが、部屋数に比べ駐車場の枠数が多く16枠のうち8枠が慢性的に空車状態にあります。
対策のひとつとして、入居者に限らず外部貸しの募集をしてみるものの、慢性的な空車枠状態は改善していません。何か手を打たないかぎり満車になる可能性が極めて低い状況にあるのは明らかです。
バイク駐車場への変更提案
オーナーさまに提案したのが、大型バイク駐車場への変更提案です。各地でバイク駐車場が増えている状況をみて短絡的に流行に乗っかったわけではありません。
この提案には、それに至るまでに市場調査で仕入れた次の3つの情報が活かされています。
市場調査にて得た3つの情報
①最寄駅から徒歩35分の立地のため車持ちやバイク持ちが多く住む地域であること。
②近隣の単身マンションや駐車場には大型のバイク駐車場がないこと。
③近くにバイク販売店舗があること。
この3つの情報から駐車場の満車に向けた対策としてオーナーさまに提案したのが、原付や小型バイクではなく、400cc以上のバイクを停めることができる大型のバイク駐車場への転用です。

成約のための2つの営業活動
募集戦術から営業対策を2つ計画します。
①賃貸仲介会社への告知
周辺に大型バイクが置ける物件がないことは先の情報収集で確認済みなので、まず、近隣マンション住人への告知活動を実行します。
また仲介会社の営業マンにバイク駐車場の存在を知ってもらうことで、当マンションではない案内時にも紹介してもらえるよう契約機会の増加のための告知営業を実施。
②近隣バイク店舗への告知営業
物件の近くにある大型バイク店舗への告知営業を行います。
バイクを購入したい人たちにとって、駐車スペースが確保できるかどうかは重要項目のひとつです。大型バイクは特に駐車スペースが住まいの中、もしくは近隣で確保できれば購入機会が増えます。
バイク店舗はバイク駐車場を紹介できれば購入者への後押しになるので店舗側のメリットが生まれます。バイク販売店舗でバイク駐車場を紹介する流れを作ることで契約機会を増やします。

募集賃料とその成果
過剰な駐車場枠の2枠を潰して、大型バイクを駐車できるスペース6台枠を設置。
投資コストは、区画線引きの27,000円。
一枠2,000円での募集なので6台枠成約で12000円/月額の収益を上げることができるよう計画。
元の駐車場としての募集金額は1枠8,000円/月。2枠で16,000円/月を潰すことになりますが、そもそも契約が見込めないとあきらめていた枠でもあることから、ひと枠でも埋まれば儲けものだとオーナーさまも判断したチャレンジです。
市場調査の結果からバイク駐車場の可能性の検証、募集戦術として営業活動を徹底したことで、6台枠すべてを募集から90日の間で成約することができました。
まだ駐車場には空き枠があるので、更にバイク駐車場への転用は可能ですが、営業活動によりバイク駐車場の認知を上げたことで、仲介会社やバイク店舗からの要望を吸い上げる形ができたので、リクエストがあれば増枠できるような仕組みにしました。
オーナーさまは今後、更に需要が増えるのであれば、簡易なものだけではなく、本格的なバイクコンテナを設置し、より高級な大型タイプを取り込める運営も検討されています。
まとめ 管理会社の役割
住居数と駐車枠のバランスが悪く、駐車枠が多い場合はバイク駐車場に転用することもひとつの改善手段だと思います。ただしその地域の市場性を理解し効果がでる可能性を図らないと、やみくもに転用しても成果が上がるほど簡単なものではないはずです。
管理業はその地域の特性をつかんでこそ成り立つ事業であり、管理会社はその地域に適した提案ができます。もし慢性的は空車があるようでしたら、一度お付き合いの管理会社に駐車場の運用の仕方を相談してみることをお勧めします。