バリューアップリフォームとは?
コストをかければ良い部屋ができるのは当たり前です。
当社のバリューアップリフォームのコンセプトは、費用対効果を数値化し、効果が期待できる部分にコストをかけて投資することにあります。
よって、バリューアップリフォームでは物件周辺のエリアマーケティングが欠かせません。
仮に設備を導入しても、その市場の需要にマッチしていなければ、成約には繋がりにくく、無駄な投資になりかねません。
各部屋ごと、ターゲットに向けた価値を提供できることがバリューアップリフォームには求められます。

ROIを指標とするリフォーム
このバリューアップリフォームを行う際の数値指標となるのが、ROIです。
ROIとは、投資額に対してどれほどの効果、収益をもたらすことができるかを示す指標です。
そもそもリフォームは、空室解消のために行います。原状回復であれ、バリューアップリフォームであれ、空室解消ができず収益を向上させることができなければ、全て無駄になります。
ターゲットとする顧客層にアピールできるリフォームを実施することで、早期での成約に繋げ、早期の収益化を目指すのがバリューアップリフォームであり、ROIを評価基準として、投資すべきかを検討することになります。

バリューアップ事例紹介
退去後、原状回復工事を行ったものの市場の反応が悪く、なんとか3.5ヶ月の空室期間を経て成約したものの、その数ヶ月後、別の部屋で退去が発生したことから、対策が必要だと判断し、エリアマーケティングを実施しました。
1、まずは市場を把握します。
繁忙期が過ぎ仲介店舗への来店者数が少ないうえに、競合物件の空室も多く、空室の供給過多が顕著です。なにか対策を講じなければ、成約が難しい状況であることは明らかです。
2、次にターゲット設定を再考します。
40㎡の2DKの間取りのため単身者の入居は難しく、子育て世帯の入居も想定に入りません。
この部屋のターゲットを、新婚世帯や同棲を考えるカップルに設定。さらには、周辺に複数の大学キャンパスがあることから、社会人と大学生などの兄弟姉妹での入居も見込めます。
さらに、周辺の競合物件との差分を検証したところ、3つの地域性が見えてきます。
・募集賃料は、他の競合物件とほぼ同等である。
・初期費用の出費をためらう傾向があるエリアである。
・成約に至っているのは初期費用が安い物件である。
既に宅配ボックスや、無料インターネットなどの人気の設備は導入済みです。他の競合物件と比べても導入設備に特筆する差はありません。敷金・礼金も0円であるため、室内設備の充実が重要な成約条件になるという仮説が立てられます。
この仮説に基づいて重要視したのが「エアコン」の設置です。
多くのファミリー物件では、エアコンが標準装備されていません。特に今回のように新婚・カップルをターゲットにする場合、お互いが一人暮らしから引っ越すことになるため、エアコンは自前で新設する必要があります。
2DKの場合、2〜3台のエアコンが必要であり、初期費用はおよそ15万円になります。
競合物件の中でも、エアコンが設置されている物件がないことから、エアコンの設置は空室を埋める上で大きなメリットであると考え、3年の型落ちの中古のエアコンを45,000円で設置したところ、退去からおよそ1ヶ月で成約に至りました。
設備が備わっていれば、必ずしも新品である必要がないことはエリアマーケティング時点で把握していたためコストの抑制が可能となり、ROIを向上させることができました。

今回、エアコン設置の投資判断をするにあたり、仲介店舗からは「2DKを1LDKに間取り変更をした方が良い」という声も多くありました。
しかし、学生が多いエリアであることから広めの1LDKの需要は低く、間取り変更をしても賃料アップは期待できません。間取り変更ROIは低く、投資には適さないと判断しました。
仲介営業マンの意見は大切にしつつも決して鵜呑みにはせず、市場や競合物件の把握し募集戦略を検討、そしてROIの数値から、何に投資をするかを決定することが重要です。

まとめ
今回の事例ではエアコン新設の事例をご紹介しましたが、他にも壁紙をアクセントクロスにするなど、様々な視点からバリューアップリフォームはご提案が可能です。
日々のリーシング活動から得た市場の情報をもとに競合物件の分析をし、募集戦略やリフォームの方針を決定しています。
これからも空室に対して、投資効果の高いバリューアップリフォームの提案を積極的に実施していきたいと思います。