2021.10.06
#空室対策
リノベーションを無駄にしないために必要なこと。

築年数が古くなってくると単純なリフォームでは新しい入居者を獲得することが難しくなることがあります。間取り変更、設備の入れ替え等含め、室内全体のリノベーションを選択するタイミングとも考えられます。
しかし、リノベーションをして良い物件とそうでない物件があるので気をつけたいところです。リノベーションを決定する基準、その際に気をつけなければならないこと、せっかくの設備投資を無駄にしないために必要なことを理解していただけます。
課題
- リノベーションすべきかどうかの判断基準は?
- リノベーションにかけるコストの基準は?
- 時間をかけず成約を得るため必要な事は?
解決
- 現状より賃料を上げることができるかが判断基準。
- 賃料アップした金額の利回りで判断します。
- いかに物件情報を周知浸透させるかがカギです。
-
エリア
兵庫県尼崎市
-
物件種別
一棟マンション
-
タイプ
ファミリー(カップル)/単身
-
戸数
21戸
-
構造
RC
目次
1.11室の部屋づけ依頼
尼崎市内にある築30年の物件を購入されたオーナーさまから、11戸ある空室を埋めるための対策を検討して提案してほしいという依頼が入ります。
築30年以上前の2DKの古い間取りであるので、間取り変更、設備の入替えも考えたリノベーションを検討している。しかし11室となると高額な投資であり、リノベーションまですべきかどうかの判断に迷うので、市場調査、賃料査定の上で提案が欲しいとの依頼内容です。

2.提案依頼の3つの課題
今回、私たちに与えられた提案課題は次の3点に集約されると考えました。
①賃料UPの可能性の検証
②リノベーション費用の投資効果性
③成約スピード
市場調査、賃料査定を通して、リノベーション企画、募集戦略を検討します。
2-① 賃料UPの可能性の検証
リノベーションをすべきかどうかの判断は、現状より賃料を上げることができるかどうかで決まります。
賃料UPを考えるなら、まずターゲット層を明確にする必要があります。単身者が多い地域なのか、ファミリー層が多い地域なのか、若い層と高齢層どちらが多く住む地域なのか、当物件近隣の住人特性を調査してみると「若い単身者」が多く住む地域であることが分かりました。
現状の2DKタイプでは、若い層に古い印象を与えてしまうことが想定され、「若い単身者」をターゲットとする1LDKタイプにリノベーションしたと仮定し、賃料査定を実施。
2DKのまま原状回復工事をした場合の想定賃料が共益費込みの53,000円に対し、リノベーション施工後の1LDKでは共益費込みの65,000円での成約が想定できます。1室あたり12,000円の賃料UPの可能性が見えました。
2-② リノベーション費用の投資効果性
2DKのまま原状回復のリフォームコストでおよそ一室50万円になります。これを1LDKへの間取り変更リノベーションで一室あたりの費用がおよそ130万円。両者の差が80万円となります。賃料UPの可能性が12,000円の算定なので、利回り18%となります。賃料UPはまだ可能性の域ではあるので確かな数値ではありませんが、これを高いとみるか低いとみるかはオーナーさま次第です。
2-③ 成約スピード
当物件は、数年にわたり空室の募集を行っていなかった為、大半の仲介店舗の営業マンは物件の存在そのものを知らない状態でした。11室もの空室があるので、仲介店舗への周知営業活動を徹底して行う必要があります。物件購入後に物件名称を変更していたこともあり、新たに物件が市場に出てきたというインパクトを与える方が面白がってもらえると考え、仲介店舗向けの内覧会の開催企画を提案します。
周知スピードと成約スピードを上げる為の施策です。

リノベーション後の打ち手とその成果
提出した「賃料UPの可能性」「リノベーションの投資効果の検証」「スピード重視の募集戦略」の3つの提案からオーナーさまは、11室のリノベーションを決定されます。当物件購入時にリノベーション費用も含め金融機関から借入れしていたこともあり、11室全てのリノベーション同時施工に着手。一斉同時施工で一室あたりの施工コストを更に下げることも狙いです。
リノベーション完了前から仲介営業マン向けの内覧会の準備に入ります。市場となる最寄駅の尼崎市駅の全ての仲介店舗の営業マンに来場頂き、室内の状況説明と同時に写真撮影をしてもらい、広く認知し情報拡散の下地を作ることが出来ました。内覧会の開催は新築物件だけではなく、リノベーション物件で行うことも早期成約の効果性は高くなります。
♯新築物件、部屋付けの秘策!~仲介営業マン向け内覧会の開催~
まとめ:リノベーションの判断基準
リノベーションをすべきかどうかは、賃料アップの可能性が見え、投資効果があると判断できてはじめて決定できるものです。
お付き合いの施工業者さんから、また管理会社さんからリノベーションの提案を受けておられたり、今後受けるようなことがあれば賃料アップが可能かどうかを聞き、もし可能であるのならその根拠を示してもらうよう依頼してください。またその賃料アップの成果から投資効果、利回り等を換算しリノベーションをする価値があるかどうかを確認してみてください。もし、その判断に迷われるような時があれば、是非一度当社までご相談ください。
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