1.エアコンの故障が頻発
一棟のオフィスビル設備である天井カセットエアコン(以下天カセエアコン)から排水不良や水漏れが発生して故障が頻発。エアコン洗浄は年一回行っているので、排水不良が原因で故障というのは納得できないとオーナーさま。
その洗浄メンテナンスの詳細をお聞きすると、36室すべての洗浄で5万円弱。どう考えても安すぎます。天カセエアコン分解洗浄であれば、一台で25,000円程度は必要です。洗浄メンテナンスの契約内容を確認をしてみると、洗浄とあるのはフィルターの清掃のことであり、年に一度のフィルター清掃を外部委託しています。契約内容の思い違いではありましたが、フィルターのみの清掃では故障の原因となる排水の詰まりや水垢やカビなどの除去はできません。
こうした故障の原因となる汚れを除去するためには分解洗浄が必要です。

2.分解洗浄を勧める二つの理由
エアコン分解洗浄をお勧めするのには次のふたつの理由があります。
1.設備保全・・・長寿命化
2.入居者満足・・・長期入居化
エアコンの分解洗浄は、設備の長寿命化、長期入居化のふたつの長期保全を狙う対策といえます。
設備保全 ー長寿命化ー
フィルター清掃は表面的な汚れを落とすのみで、エアコン内の詰まりや水垢を除去することになりません。詰まりや水垢を放置すると水漏れやエアコンの故障の原因となってしまうことがあります。設備機器は、メンテナンスおよびオーバーホールによって製品の寿命が延びることはよく知られていることです。
テナントビルでよく採用されているマルチエアコン。当物件は各階に室外機がひとつあり、7室のエアコンを動かすタイプです。
こうしたマルチエアコンが故障した場合の修理は高額になりがちです。例えば、室外機の部品交換だけで20~30万の出費が必要になったり、 ひとつの部屋のエアコンが故障した場合、ワンフロア全てのエアコンの交換が必要になることもあり得ます。ワンフロアあたり350万~400万円という高額な出費が必要となります。
分解洗浄は安い投資ではないもののエアコンの故障予防の効果があります。機械設備寿命を延ばすこととなる分解洗浄の費用対効果は低くないと判断できます。
入居者満足 -長期入居化-
家庭用エアコンの洗浄はごく一般的なものになり、オフィスでのエアコン設備洗浄の需要も上がっています。「キレイな空気」を提供することも入居するテナントの満足度アップさせるサービスのひとつとなっているともいえます。大きくはないものの、長期入居維持効果があり退去抑止にも役立つサービスとなります。
オーナーさまは、入居テナントさんの満足度を上げることができる事はもちろん、故障するリスクを放置してエアコンの取替えにかかるコストと、分解洗浄の定期的なメンテナンスを行うことで得られる長寿命化とのコストを比較し、投資すべきコストであると判断されました。
こうしてエアコン分解洗浄の実施を決定されたオーナーさまに対して、当社が出来ることは、かかるコストを出来る限り下げ、費用対効果を上げる事につきます。

経費downの具体的施策
テナントや店舗にある「天カセ」のエアコンは家庭用のエアコンと比べると分解洗浄金額は高くなります。通常1台あたりおよそり25,000円。このテナントビルの入居数は36件あるため、全体でおよそ90万円の経費が必要になります。
効果があるとわかっても、一回の洗浄で90万円はやはり高額です。
当社のパートナー企業であるエアコン洗浄専門の業者の力を借り、そもそもの施工金額を下げられないのかを検討に入ります。
エアコン洗浄専門業者からは次のふたつの条件が可能であれば費用単価を下げることができるとのこと。
1.夏前のハイシーズンを外し、負担が軽い時期であること。
2.施工日程を短縮できること。
エアコン洗浄専門業者であるので、依頼の多く忙しい夏前のハイシーズンでなければ単価を落とすことが可能だということです。
また、通常36室あるテナントビルのエアコン分解洗浄の施工日数は、うまくいっても7日程度必要です。入居テナントの入退室の事情を加味しながらの施工なので日数が必要なわけです。この日数を短縮できるのであれば費用を下げることができるようです。
そこで当社では、施工時期を業者に一任することに決定するとともに、36室の各テナントの状況を把握し、当社にて施工時間を分単位でのアポイントを取得。3日半の施工予定を組むことに成功し、施工日数半減を可能にしました。
これで、本来であれば1台25,000円の費用がかかるところを1台当たり19,000円まで単価を落とし、1台当たり6,000円の減。36台で21万円もの経費downを可能にしました。

まとめ
機械設備の寿命の目安は一応メーカーから提示されています。
例えば業務用のエアコンでいえば10年~15年が目安だとされていますが、設置環境、使用頻度によって違いがあるだけでなく、機械設備は当たりはずれがあり、同じ環境下であっても、何もしなくても故障ひとつせず使い続けれる機械もあれば、5年で故障が発生するということもあります。 こうしたことから、故障するかどうかを運任せ、機械任せと判断することも出来ますが、先々のコストのことと、キレイな空気もサービスのひとつと考え、定期的なメンテナンスを行うことは、不動産経営を安定させることになります。分解洗浄を検討する時の参考にしてください。