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2022.05.23

#コラム

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木造外階段崩落事故からみる賃貸経営のリスク

木造外階段崩落事故からみる賃貸経営のリスク

2021年4月21日、東京都八王子市の賃貸アパートで、踊り場と2階通路をつなぐ鉄製階段が崩落。
階段を上がっていた入居者が約2メートル下の道路に落ち、頭を強打、死亡するという痛ましい事故が発生しました。

築8年という建物で発生した崩落事故。施工に欠陥があったのではと調査が進められています。
今回の崩落事故を通して、賃貸経営で起こりうるリスクとその防衛策を見ていきます。

課題

  • 築8年でなぜ崩落したのか?
  • 崩落事故の責任は誰にあるのか?
  • 所有者が損害賠償請求されたらどうなるのか?

解決

  • 施工会社に過失、問題あり?
  • 施工会社の責任のはず。でも所有者が損害賠償される理由
  • 損害賠償請求された時の防衛策

施工会社に問題あり 

事故が発生した物件は「築8年」。

事故原因となった踊り場は、設計段階では鉄の部材を使うはずが、施工会社が防腐処理すらしていない「木材」を使用。その木材が風雨によって腐食し、金具と共に鉄製階段が落下したと見て調査が進められていると報じられています。

設計通りに踊り場も鉄製であれば、わずか8年で崩落することはおそらくなかったと思われます。

なぜ施工会社は設計通りの鉄材を使用しなかったのか?それは単純なコストダウンから行なわれた施工変更だったのではないかと見られています。

事故の責任

今回の事故の原因が報道されている通り施工会社の施工の問題であるならば、「施工会社が責任を負うべき」と考えられそうですが、そうならないのが賃貸経営です。

まず、所有者には、民法717条に規定されている「土地工作物責任」があります。瑕疵(通常有すべき安全性の欠如として)と事故の損害に因果関係が認められれば、建物の所有者・占有者(テナント)は損害を賠償すべき責任があるとされています。

さらに所有者には無過失責任があります。建物の占有者(テナント)は過失がなければ免責されますが、所有者はそうはいきません。

今回、所有者は階段に瑕疵があったことは知らなかったと思われますが、例え事故が発生しないよう対応していたとしても、損害を与えたかぎりは、責任を免れることができません。

被害者が責任追及する際、相手方がわからずたらい回しになることを避けるため、所有者は「無過失責任」を負うこととされています。

さらに、建物の欠陥を知りながら修繕せず放置していた場合には、「業務上過失致死傷」等の刑事責任を問われることもあります。

被害者の損害賠償請求

今回の事故ではどうなるのでしょうか。

被害者の遺族が誰を相手に損害賠償をするかにもよりますが、無過失責任のある物件所有者を相手取り損害賠償請求をする可能性が高いと思われます。

被害者に賠償した所有者は、当然ながら施工会社に損害賠償請求をすることになります。

所有者の損害賠償請求

「築8年」であれば、品確法(住宅品質確保促進法)の対象となります。

品確法とは、新築住宅を引き渡した売主、請負業者は、構造上主要な部分又は雨水の侵入を防ぐ部分に欠陥があった場合、10年間瑕疵担保責任を負います。

買主は、追完請求(補修等の実施を求める請求)、代金減額請求、損害賠償請求または契約解除権の行使をしなければならないとされています。

しかしながら、今回の施工会社は事故後に自己破産を申請しています。

本来は、手抜き工事をした施工会社に求償可能になるはずですが、施工会社が破産した場合は、それが困難となることが予測されます。

今回、所有者は被害者遺族からの損害賠償請求に法律上責任が存在し、事故の原因を作った施工会社が自己破産で賠償責任から逃げようとしているというなんともいたたまれない状況にあると言えます。

火災保険プラスαという防衛策

 こうした万一の事故に対して、法律上の損害賠償責任の負担により被る損害を補償することができる「施設所有者賠償責任保険」や「昇降機賠償責任保険」があります。

例えば、次のような事故賠償への補償があります。

・給排水管の管理不備により漏水が発生し、家財等に被害、または営業ができなくなった分の営業補償が必要になった。

・テナント看板が落下し、通行人が負傷してしまった。

・建物外壁タイルが落下し、通行人が負傷してしまった。また、車に損害が発生した。

・エレベーター内が落下(急停止)し、乗客が負傷した。

 賠償責任保険は既に火災保険に加入している場合プラスして加入できるので、賠償責任保険だけをプラスすることを検討したい場合も加入できます。

当然ながら補償があるから大丈夫だと、建物の欠陥を放置し事故が発生した場合は刑事責任を問われることとなり、保険で補償することはできなくなるので注意が必要です。

こうした報道のような施工会社の責任範囲で被害を受けることは稀なケースだと思いますが、これから断続的に発生する台風や暴風雨での被害は、他人事では済まされないほど急増、リスクは目に見えています。

建物資産を守る為の点検と修理、それから所有者が問われる責任を補償する為の損害保険の見直しを強くお勧めします。

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