圏外をあえて取り上げる理由
今回、圏外であった「テレビモニターフォン」を取り上げるのには、きちんとした理由があります。
まず、年々高まり続けるセキュリティ設備のニーズがそれです。
特に一人暮らしの女性や、小さなお子さんがいるファミリーにとっては物件選びの際に特に重視するのがセキュリティ設備。
2021年の人気設備ランキングでは、セキュリティ設備から【エントランスのオートロック】が単身者向け物件で3位、ファミリー向け物件で2位にランクイン。【ホームセキュリティ】がファミリー向け物件で7位にランクインしています。
【エントランスのオートロック】は賃料アップの可能性の高い設備であり、【ホームセキュリティ】はワンランク上の安全・安心を提供出来るので、この2つはセキュリティ設備の分野でも特にインパクトが強い設備だと言われています。ただ、オートロックには多額の投資費用、ホームセキュリティには初期費用に加え月額のランニングコストが必要になります。
また、建物の構造上導入が出来ないケースもあり、オートロックやホームセキュリティは費用面、構造面から導入へのハードルが高い設備とも言えます。
そこで、賃貸マンションで費用対効果性が高く、導入しやすく、簡単にセキュリティ強化のできる設備としてオススメしたいのが「テレビモニターフォン」です。

テレビモニターフォンの特徴
テレビモニターが付いたインターフォン。その名の通り、モニターを通して訪問者を確認、会話が出来るので、従来の通話機能のみのインターフォンよりも安心・安全が得られます。
また、通話せずモニターの確認が出来るので、不審者やセールスと判断した場合には居留守を使うこともできます。その他、録画機能で不在時でも何時、誰が訪れたかを後で確認することができ、万一何かのトラブルに巻き込まれた時の証拠として提示することも可能です。
テレビモニターフォンの効果
どんな設備でも、気になるのが、かけるコストに対する効果性ではないでしょうか。
テレビモニターフォンの導入で期待できる効果は、「入居促進力」と「入居維持力」の向上の2点です。

【1】入居促進力
例えば、新たにオートロック設備を導入する場合、投資額はどうしても高額になります。この高額投資には相応の効果が必要であり、その効果として期待されるのが「賃料アップ」です。
オートロック設備は、投資額と賃料アップ額の費用対効果を見定め、投資すべきかどうか判断することになります。賃料アップがさほど見込めないマンションなのであれば、オートロック導入の投資は見合わせる必要があると判断できます。
こうした高額な投資をしてはいけないと判断されたマンションや、費用対効果が高くない物件にこそ、「テレビモニターフォン」が適しています。
大きな効果は見込めないものの、投資額の割に防犯性が高い物件という印象を与えることができます。
この効果を期待できるのが部屋付けの「成約率」に対してです。
今や部屋探しは、来店前にスマホで物件のポータルサイトを調査し、それを現地で確認する作業になっていると言われます。スマホでSUMOやHOMESなどのポータルサイトを検索する際、テレビモニターフォン導入物件であれば、条件項目に”テレビモニターフォン付き”と表記させることができます。立地、賃料帯等が類似する物件と競合になった時、テレビモニターフォンの有無は、成約率に効果的に良い影響を与えることになります。
【2】入居維持力
入居維持力は、入居者満足度と言い換えることができます。入居者の満足度が高いほど、当然住み続けたいという思いは強くなります。
セキュリティ面のニーズが高いことから考えても、退去後リフォーム時や故障時だけではなく、積極的に現入居者に向けテレビモニターフォンへの取替を行うことで満足度をあげ、長期入居を狙うことができます。

テレビモニターフォンの設置工事費用
テレビモニターフォンは設置費込みで1台25,000円〜30,000円で設置できるケースがほとんどです。
ただ、既に室内にインターフォンがある物件であれば配線工事がいらず取付自体も簡単ですが、現状がチャイム式などで電池仕様の場合、配線工事が必要となり、多少金額が変わる可能性はあります。
特に、現在設置されているインターフォンが故障した場合は、迷わずテレビモニターフォンへの取替えの選択をオススメします。同等のインターフォンに変更する工事金額と比べても5,000円程しか変わらないので、充分な投資効果が望めます。
まとめ 最後に
今回は、ランキング外でありながらも費用対効果の高い「テレビモニターフォン」をご紹介しました。テレビモニターフォンは、導入することで”賃料アップ”が出来るほどの効果がある設備ではありませんが、導入する物件によっては、”入居促進”、”入居維持”に効果が期待できます。
今や特別珍しいものでもなく、当然にあってしかるべき設備だと考える方もいます。オートロックのように全戸に対応する必要がなく、1戸から簡単に交換ができることからも、積極的な導入をおススメする設備です。