まず止水と原因の究明
大阪市内、谷町九丁目駅が最寄りのファミリーマンション701号の契約者から23時すぎの受電。リビング天井から大量の漏水が発生しているとの連絡です。
深夜の連絡は、ほんとに管理会社泣かせです…。
現場に急行すると、リビング天井の火災警報器が濡れ警報が発報したことで消防も出動、現場は騒然としていました。
早速、水漏れの原因の可能性の高い上階801号室を訪問、室内確認するも、水を溢れさせたなどの形跡もなく、原因の特定には至りませんでした。
原因は給水周りの可能性が高いと見て、上階のPS内の止水栓バルブを閉めてみると、漏水が止まったことから、給水管のどこかが原因であることまではわかりました。
止水によりこれ以上の被害の拡大がないことを確認したころには深夜2時を回っていたこともあり一次対応完了となりました。

漏水箇所の特定作業
翌日朝から、水道業者とともに漏水原因であろう上階の801号室の根本調査を実施。
給水管等で耐圧試験を行ったところ、給湯管からの漏水の可能性が高い事まではわかりましたが、給湯管は床下配管なので、完全な止水をしようと思うとその漏水箇所まで床板をはがしてたどり着く必要があります。
しかし洗濯パンを外したりと、見れる範囲で床下状況も確認しても水濡れの形跡は見当たりません。
漏水箇所にたどり着くまで床板をはがし続けるのは、あまりにも非効率であり復旧のコストも大きくなることが考えられるので、施工工事は、現在の給湯管を閉管し、別系統で新たな給湯管を敷設する方法を採用しました。原因特定のための床剥がし、その修繕、復旧施工までの時間とコストを比較しての決断です。

二次クレーム抑止:復旧の早期化
801号の入居者の方には、漏水原因と施工方法の説明を丁寧に行う必要があります。復旧まではお湯が使えない不便な生活をおねがいすることになります。ここでのケアを怠ると二次クレームへと発展し事態の収拾に余計な時間とコストがかかることが予測できます。
復旧までは給湯管が使えないのでキッチン、洗面所でお湯は使えませんが、幸い、801号室は追炊き機能がついているので、給湯管を通さずに浴槽ではお湯を使える状態でした。
しかし、キッチンでお湯が使えないということは普通の生活ができません。ストレスはもちろん賃貸契約の「住む権利」からみると1日も早い復旧が必要になります。
ここで施工方法を早い段階で決定し、工事手配したことが活きてきます。工事業者の予定を先に抑えることで、事故の翌々日には給湯管の新設工事を実施することを可能にしました。こうした早期の復旧対応は、入居者にこれ以上の不満を抱かせない二次クレーム抑止の為の大事な対策となります。
同様に階下701号の被害者である入居者への復旧説明も大事になります。
復旧方法を考えながら対処していたおかげで、漏水対応直後から、どのように復旧するかを丁寧に説明することで、入居者の不安感や二次クレームのトラブルがなく施工に着手できることができました。こうした被害のあった方へのケアは、復旧早期化の段取りでは特に重要なことになります。

火災保険での補償範囲
被害のあった入居者の家財の補償は、入居者が加入している火災保険が使えたので、当社にて保険会社への報告等の段取りをし補償対象を確定。各室内の復旧も入居者の予定に合わせ実施し完了します。家財、室内の復旧共に入居者及び家主加入保険にて対応。今回の漏水で発生した損害の全てを各火災保険で補償することができました。入居者の方はもちろんオーナーさまの金銭的補償負担ゼロでの解決です。
管理会社の役割
こうした漏水の止水から応急処置、復旧までの対応ができるのは管理会社として当然ですが、不安やストレスからくる二次クレームの抑止対応、その被害状況から火災保険で補償が出るか否かの判断やサポート対応ができる管理会社は少ないようです。
漏水発生からの初期対応、被害者のケア、保険申請代行、補償と先読みをしつつ着実に段取りを取ることでオーナーさまの費用負担ゼロ、被害にあわれた入居者への補償も早期に実施することができました。トラブル発生時の管理会社の対応如何で結果が変化することがお分かりいただけると思います。もし、今お付き合いの管理会社がこうした対応ができそうになく、少しでも不安があるようであれば、是非当社にご相談ください。