Amazonの新サービス、key for business
Key for businessは、これまでオートロックマンションでは実現出来なかった、「置き配」を可能にするAmazonの新サービスです。
従来、オートロック付きマンションの場合、入居者が不在時に玄関付近への「置き配」は出来ませんが、本サービスの導入により「置き配」が可能になるというものです。
置き配とは・・・宅配便の受け取り方の一つで、「玄関ドアの前」や「ガスメーターボックス」など、あらかじめ指定しておいた場所に荷物を置いてもらう配送方法のこと。非対面且つ不在時でも荷物を受け取ることができるので、再配達による時間や労力の無駄を防ぐために始められています。古くは牛乳配達がこの方法を使っています。
仕組みはいたって簡単です。まずマンションのエントランスドアやオートロックに小型の専用機器を取り付けます。Amazonから委託を受けた配送業者やドライバーが、専用の配送アプリを使ってエントランスのオートロックを解除出来るという仕組みです。
入居者の不在時でも玄関先等への「置き配」が可能になります。導入するマンションにAmazonの荷物を持った配送ドライバーが到着した時のみオートロックが解除されます。
オートロックがあり宅配ボックスがない物件の入居者は、不在時には荷物の受け取りができないので再配達の依頼をする必要があります。また、在宅していても家事や在宅勤務など手が離せない時には受け取り応対が出来ないなんてことは少なくありません。
また、既に宅配ボックスを設置されている物件であっても、宅配サービスの利用者が増えている為、宅配ボックスが満杯で荷物を受け取れないことや、重い荷物を一階の宅配ボックスから部屋まで自分で運ばなければならないことにストレスを感じるという声もあります。
key for businessの導入で、オートロック付きマンションでも「置き配」が可能になることで、こうした入居者の不便さが解消され、より快適に荷物の受け取りができるわけです。

賃貸住宅の宅配サービス需要
賃貸住宅の設備として「宅配ボックス」は、賃貸住宅新聞社が毎年実施している人気設備ランキングで単身・ファミリー物件ともに上位にランクインしています。
こうしたランキングが示すとおり、「宅配ボックス」はいまや賃貸住宅に必須の設備になりつつありますが、導入には初期費用、ランニングコストがかかるケースが一般的です。
その点、Amazon/key for businessは、オートロックに後付けができ導入費用、月額利用料ともに無料、年間最大1,000円程度の電気代のみで利用できるので、より手軽に宅配サービスを物件に導入することが出来る点は所有者側のメリットであると言えます。

導入基準と導入にあたっての留意点
導入するにあたって最も気がかりなのは、セキュリティ面ではないでしょうか。配達員が自由にオートロック内に入館できるという点に不安を抱く方は少なくないと思います。
しかし、本サービスは配送ドライバーがマンションに入館し、「置き配」が完了するとロック解除の権限が切れ、それ以降は同じ日であってもマンションへ再入館できなくなります。またドライバーがいつ入館したかのログ履歴が残るという点も安心できるポイントになります。
本サービスは次の3点をクリアしている物件が導入の対象になります。
・オートロック付きであること
・エレベーター制御がないこと
・10戸以上の住居があること
現地確認後、導入基準をクリアした物件は所有者と契約締結の上、導入へと進みます。
賃貸住宅において宅配サービスの充実は入居者の満足度アップになり、今後、本サービスがある程度普及すれば、安心して「置き配」ができるかどうかも他物件との差別化の要素に加わるようになるかもしれません。