単身者の需要 ~年式と清潔さが重要~
単身者向けの部屋、特に1R・1Kタイプの部屋には「エアコンは当たり前」とされる設備であり、現にほとんどの部屋に設置されています。
ここで注目すべきは、「エアコンの年式」と「エアコンの汚れ」です。
古い年式のエアコンは、その見た目から「電気代がかかりそう…」「ちゃんと冷えるの?」「入居後すぐに壊れるのでは?」「風が臭いそう…」などネガティブな印象しか与えてくれません。エアコンが設置されているにもかかわらず、部屋付けに悪影響になるならば改善する必要があります。
「内覧時の好印象度アップ」と共に「設備故障による賃料減額のリスクを軽減する」観点からも、10年以上経過したエアコンは、リフォーム時に交換することがおススメです。

10年以内のまだ年式が新しいエアコンについては、さすがに交換をおススメめする時期ではない為、エアコンクリーニングを提案、実施することで、「清潔さ」の好印象度アップを図ります。
単身用マンションは、間取りタイプによってエアコン設置率が異なります。1Rや1Kの部屋よりもエアコン設置率が低いのが、1DK・1LDKの部屋になります。
こうしたエアコンが未設置の部屋に新たにエアコン設置をするかどうかや、故障はしていないけれど、古くて印象が良くないエアコンを新しくするかどうかの判断は、部屋に入居が決まるか、または入居が早まるかどうかで決めることになります。

こうした判断をする際に「ROI(投資利益率)」を指標として考えるという方法があります。
ROIとは、投資に対する利益率を示すもので、費用対効果を数値化したものです。
ROIの公式

例えば、退去後の部屋のエアコンが、古く汚い状態や未設置のままの場合と、エアコンを新しくすることによって空室期間が4ヶ月短縮できると仮定した場合のROIの比較すると。

賃料が4万円で同じであっても、空室期間が短縮できるならばROI(投資利益率)は上昇します。空室期間を短縮できるかどうかの確証は難しいですが、その可能性があるならば投資を検討する価値があります。
こうした空室期間が短縮可能だと判断できる場合、積極的な投資を検討できます。
ファミリータイプは状況に応じた対応を♪
ファミリータイプの場合、エアコンのニーズが高いからと、やみくもに全室に設置する提案は効果的ではありません。ファミリータイプでは、部屋の状況に応じた提案が重要になります。
1.エアコンの設置環境を整える
築年数が古いファミリータイプの物件では、一部の部屋にエアコンを設置するための「電源・穴・室外機置場」がないケースがよくあります。
もはや、エアコン設置ができない部屋での生活は考えられないとして敬遠されてしまうばかりか、古くからの入居者でもエアコンのない部屋の使用頻度が高まれば、あっさりと退去するケースが生まれます。
エアコンニーズが高まる中、最低限必要なのはエアコンが設置できる環境を整えることです。「電源・穴・室外機置場」が確保できる建物の状況であれば、環境を整える投資を検討してみてください。

2.ファミリータイプの効果的な設置
エアコンの設置効果を最大限に引き出すためには、まず入居者の立場に立って設置する部屋を選ぶことが重要です。
エアコンの容量は部屋の広さに比例して必要となるため、広い部屋ほどコストも高くなります。ですが、そうしたコストのかかる部屋ほどエアコン設備の設置効果も高まります。入居者の転居にかかる金銭的負担を軽減しやすい部屋にエアコンを設置することで、他の物件と差別化を図れれば、空室期間の短縮を目指しやすくなります。単身用の部屋同様、ROI(投資利益率)を考慮した判断が重要です。
近年は猛暑日が増え、最高気温が夏日となる日が長く続いています。年々気温も上昇する傾向があり、エアコン設備の需要はますます高まることは予測されます。今回お伝えしたROI(投資利益率)が高まると判断できる場合には、積極的にエアコンへの投資を検討してみてください。