2021.10.19
#売上UP
「リノベーションは賃料を上げるため」に。でも本当に賃料は上げられるのか?を検証する

リノベーションの目的は、賃料アップにあります。
リノベーションをしても、する前と同じ賃料しか取れないようであれば、違った選択肢を選ぶ必要があります。
リノベーションの費用対効果を計測するためには、リノベーション後の賃料の予測がたたなければ出来ません。市場から情報収集して行う「賃料査定」が重要です。
課題
- 空室解消のためにリノベーションをしようと考えている。
- リノベーションをすべきかどうかはどう判断するのか?
- リノベーションの投資、費用対効果はどう判断するのか?
解決
- リノベーションは賃料アップできないなら違う選択をすべき。
- 賃料査定で賃料アップできるかどうかを判定します。
- リノベーション費用と賃料アップ効果の投資利回りで判断。
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エリア
大阪市中央区
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物件種別
分譲マンション一室
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タイプ
1LDK
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戸数
分譲マンション1室
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構造
SRC
心斎橋エリアの現状
今回、リノベーションの提案を行ったのは、築22年の分譲マンション、約36㎡の1LDKの一室です。新築以来、室内リフォームをほぼせずに済んでいたため、設備等の古さが目立つ室内になってしまっています。
長堀橋、心斎橋エリアに位置するため、入居者の多くは飲食店や店舗勤務する方であり、コロナ禍の影響から退去の発生数が通常時より明らかに多くなっているエリアです。
それに加え、民泊物件が多く供給されていた地域でもあり、その民泊物件が普通賃貸に転用され、空室数が上乗せされたため、ホテル仕様で格安という物件との競争も加わり空室数が更に際立ったまさに激戦区の様相です。

企画3パターンで賃料査定
22年間一度も設備入替えしていない部屋ということもあり、退去連絡が入った時点からオーナーさまとの打ち合わせを重ね、退去後すぐに室内改修提案と見積を依頼。その間に賃料査定を実施します。
入替える設備内容によって、賃料が変わることが予測できるので、賃料査定にあたり仲介会社にはリノベーション内容を次の3パターン提示しました。
①おしゃれな見た目重視のデザインリノベーション
②新築に負けない見た目重視の設備取替(キッチン・洗面化粧台・建具・ユニットバス)
③省エネeco機能性を重視した設備取替(エアコン・浴室乾燥機・給湯器・照明器具)
この3パターンから、入居希望される方にどのような要望が多いのか、パターンによって、賃料アップにどの程度の違いがあるのかの査定です。
賃料査定の結果、①のおしゃれな見た目重視ではあまり賃料が上がらないと結果がでたので、②③の設備取替をうまくミックスした企画が効果的だと判断。
リノベーション前の賃料が77,000円と試算していたところを、リノベーション後で13,000円アップの90,000円とし、最終査定結果としました。
リノベーション実施提案内容
②の新築に負けない設備で優先順位が最も高かったのが「システムキッチン」でした。
洗面、建具、ユニットバスは取替えまで入れるとプラス70万円になるので、全取替えではなく、浴室水栓・浴室鏡・浴室灯・洗面水栓だけを取替えることにしました。目立つ部分のみを取替え、ハウスクリーニングで汚れを落とすことで見栄えを良くします。
③の省エネeco機能性をミックスすることで賃料UPの可能性が高まるので、古くなった給湯器・浴室乾燥機・エアコン・温水洗浄便座・シーリングライトの取替の提案も盛り込みます。
費用対効果のこだわり
賃料を90,000円と設定したので、最後ギリギリまで悩んだのがフローリングの張替えをするかどうかでした。コストを抑えるためによくあるCFの上張りやフロアタイルへの変更をするかどうかの判断です。
分譲マンションとしての「質感」をフローリングが表現している部屋なので、これを変えてしまうと賃料アップに影響があると判断。フローリングの張替えを選択することになりました。
こうして賃料アップに期待ができる設備の入れ替えを積極的に、見た目が変わらない部分でコストを抑え、うまくバランスをとることで、全体のリノベーション費用を180万円に抑えることになりました。
徹底した営業活動
リノベーションをして、良い部屋を作れたとしても、それだけでは借り手は見つかりません。やはり営業活動が大事になります。
リノベーションの内容が確定した段階から仲介店舗に足を運び、周知活動を実施。何度も顔を出すことになり、毎回同じだと飽きられてしまうので、持っていく募集シートの色合いや構図を変えたり、内装ができるまでの過程を写真で追加したりと工夫を凝らします。
内装完了を楽しみにしてくれる仲介店舗の営業マンがチラホラ出始め、完了後に案内数が増加し入居が決定。リフォーム完了日から30日目でした。

リノベーション投資判断
今事例のようにリノベーションに投資すべきかどうかは、オーナーさまのお考えによって違いがあります。
22年の古さをうまくごまかし、経年劣化した設備の入替えを多少行うような、プラスαのリフォームであれば、おそらく50万円程度の費用に抑えることはできると思います。
問題は、それで空室激戦区の一つと言われる心斎橋で成果を出せるかどうかです。
相手にするのは民泊から転用された新築分譲並みの空室です。うまくごまかせなかった場合、周囲に埋もれ空室期間が長くなる可能性があります。
180万円のリノベーションと50万円のリフォーム差額は130万円。その賃料の差額が月13,000円、年間でおよそ15万円です。130万円の投資で年間15万円の収益UPですから、利回りおよそ11.5%。これを費用対効果が高いと見るか低いとみるのか。
今回オーナーさまは、この投資提案を評価され実行に移されました。
その結果、リノベーション完了後30日で法人契約、賃料査定通りの90,000円で入居が決まりました。
賃料査定をした限り、激戦の心斎橋周辺で通常のリフォームにプラスαした程度の空室が、このスピード感で入居を決定させる事はできないと断言できます。
リノベーションの目的をもう一度
当社でリノベーションへの投資をご提案をするかどうかは、賃料UPができるかどうかで決定しています。空室が多く存在する中で、選ばれる物件、仲介営業マンが言う「決め物」になるような室内づくりが必要ですが、そのリノベーションの投資でいくらの賃料アップができるのかを賃料査定を通し投資判断することが大切だと思います。
リノベーションでの賃料アップの効果性、費用対効果の判断材料も当社からお出しできますので、効果性の高いリノベーションを考えられているようであれば、一度当社にご相談ください。
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